「ThinkPad」と「GT-R」
2008/05/23
カテゴリ: 竹内俊介
ライター: 竹内俊介
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つい最近、パソコンを新しくした。
2004年にサラリーマン生活に終止符を打ったのだが、その際、これから始まる新たな仕事用としてB5サイズのモバイルPCを購入した。どこでも仕事ができるようにとの思いから選んだのは、DELLが当時最軽量を謳っていた「inspiron300m」というモデル。その頃はメールとインターネット、そしてワードとエクセルができれば仕事用としては充分だと思っていたので、メモリは増設したが512MBとした。総額は、たしか13万円台だったと記憶している。これは、光学ドライブが外付けタイプのため薄くて軽い。だから何処に行くときも気軽に持ち歩くことができ、大変重宝した。以来、徹夜の原稿書きから、暇つぶしのゲームの相手まで、常に小生の傍らに寄り添い苦楽をともにしてくれた大切なパートナーなのだ。
そして月日が流れ、仕事の中身も多少は変化した。Webの仕事が中心となった最近では、デジタル写真を加工する機会も以前とは比べものにならないほど多くなってきた。GTR-WORLDの読者ならお判りのことと思うが、スーパーGT開催時にはサーキットから直接カメラマンの撮った画像とレポートをアップしている。大量の生データを一気に加工しているわけだが、こうなると我が相棒のパフォーマンスは不足していると言わざるをえない。フォトショップを開き、生データを一度に10枚程度加工しようとすると、動作スピードは極端に遅くなり、場合によってはフリーズしてしまう。もっとも、相棒にしてみれば想定外の仕事をさせられているわけで、「無理させるなよー」と言いたいところなのだろうが、さすがに仕事ともなればあまりよろしくない。そこで、やむなく仕事用パソコンを新調し、我が相棒は自宅でその余生をおくっていただくことにしたわけだ。
で、次は何にするか?
もちろん、DELLの最新モバイルPCにするつもりでいた。理由は、性能に対して値ごろ感があり、余計な機能もないから。さらに自身の経験上トラブルがなかった点も大きな理由だ。要するにパソコンは道具であり、ブランドやデザインなどはどうでもよく、必要とする性能や機能がリーズナブルな価格で手に入れば充分。というのが小生の考え方。その点、DELLの製品は我がポリシーにマッチする。もちろん、他にも条件に見合う製品があるとは思うが、現段階では特に問題がある訳でもなく、あえて冒険する必要もないというのが本音だ。
とはいえ、いつかは使ってみたいパソコンはあった。IBMの時代から「Think Pad」は気になる存在だ。ブラックを基調としたデザインがお気に入りで、元モデルのりょうを起用したTVコマーシャルも良かった。ただし、高いという印象が強い。ブランド料を含んでのことだと思われるが、いずれ資金的に余裕が生まれた際には「Think Pad」もありだなと考えていたのである。
話しを戻すと、今回もDELLが最有力候補にあがっていたのだが、念のため知り合いのwebデザイナーに相談した。そうしたところ、「最近、Think Pad X61を買ったんだが、これがおすすめだよ」と大先生のお言葉。「でも、高いでしょ」「いやいや、通販で12万円台だったよ」「えーっ!その通販屋、どこですか?」というわけで通販屋を教えてもらい、早速チェック。確かに12万円台だが、よく見ると光学ドライブがない。やはり割高感はあるなと思いつつも、大先生のおすすめだし、光学ドライブの使用頻度は低いし、取材先でもサクサク動いてもらわないと困るしということで、そのまま即手配。購入したのは、lenovo製となった「Think Pad 」シリーズのX61。メモリは1GBで、ハードディスクも100GB、OSはWindows XPだ。在庫品だったのでブツは5日で届き、早速、データの移行やソフトのインストール作業を行った。
この作業の合間を縫って、ちょっとした原稿を打ち込んだり、メールを送ったりしている内にあることに気がついた。
それはキーのタッチが妙に良い点。自分なりに分析してみると、ストローク感、指先に感じる反力、各キーの剛性感と正確な動きが心地良さにつながっている。さらに各キーの間隔やその配列が小生の指先にマッチしているようで、特にBack spaceやDeleteキーの絶妙な位置が操作しやすい。気のせいか、タイピングミスも少なくなったように感じるし、不思議なことにパソコンの操作自体も楽しくなってきたから驚きだ。こればかりは、今まで使ってきたパソコンにはない感覚で、「Think Pad」を使ってみて初めて感じた心地よさなのだ。こうした心地よい操作感を生み出すためには、長い年月に基づく経験とノウハウ、そして開発コストが必要となる。実は、これこそが、「Think Pad」を割高と感じる源なのだと気がついたわけだ。
で、この意味もなく操作したくなる感覚、GT-Rを初めて運転した時と同じ感覚だ。
単なる道具としてパソコンをみた場合、必要な性能と機能があればリーズナブルな方がいい。クルマの場合も、単にA地点からB地点に移動するための道具として見れば同様だ。しかし、ひとたびGT-Rに乗れば、単なるA地点からB地点への移動の瞬間すら楽しく心地よいものに変えてくれる。だから、意味もなくドライブがしたくなり、もっとGT-Rに乗っていたいと思うのである。そんなGT-Rの魅力にぞっこんなオーナー諸兄も多いはずだ。
という訳で、期せずして「Think Pad」のオーナーになり、GT-Rの魅力を再認識した次第であるが、両者の根底に流れているものは同じ心地よい操作感であり操作する楽しさだ。「Think Pad」は、クルマにおける「GT-R」であり、「GT-R」はパソコンにおける「Think Pad」なのである。それらを操作することは、オーナーのみに許された至福の瞬間であり、オーナーのみが味わえる密かな悦びなのだ。
最後に、本来、こうした話はクルマを道具としてしか見ていない方々へすべきものなのかもしれない。パソコンを操作したいが故に延々と編集後記を綴った失礼をお許しいただきたい。
2004年にサラリーマン生活に終止符を打ったのだが、その際、これから始まる新たな仕事用としてB5サイズのモバイルPCを購入した。どこでも仕事ができるようにとの思いから選んだのは、DELLが当時最軽量を謳っていた「inspiron300m」というモデル。その頃はメールとインターネット、そしてワードとエクセルができれば仕事用としては充分だと思っていたので、メモリは増設したが512MBとした。総額は、たしか13万円台だったと記憶している。これは、光学ドライブが外付けタイプのため薄くて軽い。だから何処に行くときも気軽に持ち歩くことができ、大変重宝した。以来、徹夜の原稿書きから、暇つぶしのゲームの相手まで、常に小生の傍らに寄り添い苦楽をともにしてくれた大切なパートナーなのだ。
そして月日が流れ、仕事の中身も多少は変化した。Webの仕事が中心となった最近では、デジタル写真を加工する機会も以前とは比べものにならないほど多くなってきた。GTR-WORLDの読者ならお判りのことと思うが、スーパーGT開催時にはサーキットから直接カメラマンの撮った画像とレポートをアップしている。大量の生データを一気に加工しているわけだが、こうなると我が相棒のパフォーマンスは不足していると言わざるをえない。フォトショップを開き、生データを一度に10枚程度加工しようとすると、動作スピードは極端に遅くなり、場合によってはフリーズしてしまう。もっとも、相棒にしてみれば想定外の仕事をさせられているわけで、「無理させるなよー」と言いたいところなのだろうが、さすがに仕事ともなればあまりよろしくない。そこで、やむなく仕事用パソコンを新調し、我が相棒は自宅でその余生をおくっていただくことにしたわけだ。
で、次は何にするか?
もちろん、DELLの最新モバイルPCにするつもりでいた。理由は、性能に対して値ごろ感があり、余計な機能もないから。さらに自身の経験上トラブルがなかった点も大きな理由だ。要するにパソコンは道具であり、ブランドやデザインなどはどうでもよく、必要とする性能や機能がリーズナブルな価格で手に入れば充分。というのが小生の考え方。その点、DELLの製品は我がポリシーにマッチする。もちろん、他にも条件に見合う製品があるとは思うが、現段階では特に問題がある訳でもなく、あえて冒険する必要もないというのが本音だ。
とはいえ、いつかは使ってみたいパソコンはあった。IBMの時代から「Think Pad」は気になる存在だ。ブラックを基調としたデザインがお気に入りで、元モデルのりょうを起用したTVコマーシャルも良かった。ただし、高いという印象が強い。ブランド料を含んでのことだと思われるが、いずれ資金的に余裕が生まれた際には「Think Pad」もありだなと考えていたのである。
話しを戻すと、今回もDELLが最有力候補にあがっていたのだが、念のため知り合いのwebデザイナーに相談した。そうしたところ、「最近、Think Pad X61を買ったんだが、これがおすすめだよ」と大先生のお言葉。「でも、高いでしょ」「いやいや、通販で12万円台だったよ」「えーっ!その通販屋、どこですか?」というわけで通販屋を教えてもらい、早速チェック。確かに12万円台だが、よく見ると光学ドライブがない。やはり割高感はあるなと思いつつも、大先生のおすすめだし、光学ドライブの使用頻度は低いし、取材先でもサクサク動いてもらわないと困るしということで、そのまま即手配。購入したのは、lenovo製となった「Think Pad 」シリーズのX61。メモリは1GBで、ハードディスクも100GB、OSはWindows XPだ。在庫品だったのでブツは5日で届き、早速、データの移行やソフトのインストール作業を行った。
この作業の合間を縫って、ちょっとした原稿を打ち込んだり、メールを送ったりしている内にあることに気がついた。
それはキーのタッチが妙に良い点。自分なりに分析してみると、ストローク感、指先に感じる反力、各キーの剛性感と正確な動きが心地良さにつながっている。さらに各キーの間隔やその配列が小生の指先にマッチしているようで、特にBack spaceやDeleteキーの絶妙な位置が操作しやすい。気のせいか、タイピングミスも少なくなったように感じるし、不思議なことにパソコンの操作自体も楽しくなってきたから驚きだ。こればかりは、今まで使ってきたパソコンにはない感覚で、「Think Pad」を使ってみて初めて感じた心地よさなのだ。こうした心地よい操作感を生み出すためには、長い年月に基づく経験とノウハウ、そして開発コストが必要となる。実は、これこそが、「Think Pad」を割高と感じる源なのだと気がついたわけだ。
で、この意味もなく操作したくなる感覚、GT-Rを初めて運転した時と同じ感覚だ。
単なる道具としてパソコンをみた場合、必要な性能と機能があればリーズナブルな方がいい。クルマの場合も、単にA地点からB地点に移動するための道具として見れば同様だ。しかし、ひとたびGT-Rに乗れば、単なるA地点からB地点への移動の瞬間すら楽しく心地よいものに変えてくれる。だから、意味もなくドライブがしたくなり、もっとGT-Rに乗っていたいと思うのである。そんなGT-Rの魅力にぞっこんなオーナー諸兄も多いはずだ。
という訳で、期せずして「Think Pad」のオーナーになり、GT-Rの魅力を再認識した次第であるが、両者の根底に流れているものは同じ心地よい操作感であり操作する楽しさだ。「Think Pad」は、クルマにおける「GT-R」であり、「GT-R」はパソコンにおける「Think Pad」なのである。それらを操作することは、オーナーのみに許された至福の瞬間であり、オーナーのみが味わえる密かな悦びなのだ。
最後に、本来、こうした話はクルマを道具としてしか見ていない方々へすべきものなのかもしれない。パソコンを操作したいが故に延々と編集後記を綴った失礼をお許しいただきたい。
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