なぜ慣らしが必要なのか?
2007/12/20
カテゴリ: テスト&レポート
ライター: 竹内俊介
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クルマを製造する際の工作精度は、昔に比べて飛躍的に向上している。
また、可動部分の多いエンジンでは、各パーツの強度や軸受けのクリアランスなどの誤差を考慮しながら設計・組み立てしていたが、これもパーツの工作精度の向上とコンピュータ・シミュレーションの発達で、より正確に組めるようになり、フリクションの少ない低燃費エンジンが作れるようになった。これなら、パーツが馴染むまで動きが渋かった昔のエンジンとは大違いで、ナラシも不要なのだ。だから、ごく普通に使うクルマにナラシは不要。
しかし、「ごく普通に使うクルマ」ではない新型GT-Rを含めた、ハイチューンのクルマの場合はどうか? どの世代のGT-Rオーナーも、愛車には1馬力でも大きなパワーと軽やかなレスポンスをずっと発揮してもらいたいと思っていたハズ。そういうオーナーには、ナラシは絶対必要なのだ。ナラシの目的とは、そのクルマの持てる性能を100%引き出し、それを長く維持させることにある。
確かに、クルマを作る工作精度は昔に比べて格段に向上している。しかし、エンジン内部を始め、ミッションやサスペンションの中で金属同士がゴリゴリとこすれ合っているのは昔と全く変わらない。
エンジンパーツの可動部分は、いっけんツルツルに仕上げられているように見えるが、顕微鏡で見てみると表面に微小な凹凸がある。いくら機械加工を精密にやったとしても、量産車はF1ではないからこれ以上は出来ないという限界がある。
そんなパーツ同士が、たとえ高性能な潤滑油に守られていても、高速で運動すれば削れて金属粉が出て来て当然。そして、互いに削れて表面がピカピカになり、相性よく馴染んで「当たり」がつくことでナラシが完成する。その際に、エンジンオイルやミッションオイルを交換すると、削れて出来た金属粉を排出することができるのだ。
考えてもみてほしい。あの超精密に組み上げたF1エンジンですら、エンジンベンチ上でラッピングというナラシ運転をしてからレースに使用するのだ。だから、新型GT-Rはもちろん、第二世代GT-Rに乗っているオーナー諸氏は新品エンジンに載せ換えたり、オーバーホールした際にも、以下に記すナラシメニューでキッチリとエンジンを仕上げてほしい。
ドライビングの神様からのお告げ 『2000km慣らし・マニュアル』
どうすれば、正しいナラシ運転ができるのか? GTR-WORLD.netではドライビングの神様から「ナラシのお告げ」をいただいた。その内容はざっと以下のとおり。
ナラシというと、高速道路を一定速度で長距離を走って完了とする人もいるが、実はそれは間違い。各ギヤをこまめにシフトチェンジし穏やかに加減速することで、加速側とエンジンブレーキを使った減速側に当たりをつける。エンジンでいうと加速側でピストンとシリンダーが当る面と、減速側で当る面が違うからだ。それはミッションでも同じ。加速側で当るギヤの噛み合わせと減速側で当るギヤの噛み合わせは別なのだ。
また、走行距離に合せてMAX回転数を上げるのは、シリンダー壁に直接接触しているピストンリングとピストンが低回転域で接触する部分と、高回転域で接触する部分が微妙に異なるからだ。高回転まで回すクセをつけると思えばいい。その際には、エンジンに余計な負荷をかけないように、上りになったらこまめにシフトダウンすること。
また新型GT-Rには、より高剛性のサスペンションに仕上げるためブッシュ類に非常に硬いものを組み込んでいるし、アクティブコントロールのショックアブソーバーも摺動部分の多い精密部品。これらを馴染ませるためにもナラシは必要なのだ。サスペンションを慣らすには、「ボビング路」と呼ばれる中央道/上り線八ヶ岳付近の凹凸のある路面などが有効。
実際、2000kmのナラシを終えた新型GT-Rと納車直後のGT-Rを比較すると、格段にエンジンが軽くなり、乗り心地もスムーズになるという。水野主管がディーラーに向けて、2000kmナラシ徹底の通達を出したのもうなづけるというもの。幸運にも新型GT-Rのオーナーとなった諸兄。愛車のナラシは丁寧に愛情を持って行なっていただきたい。サーキットでの全開は、その後で…。
Text: Shunsuke Takeuchi
Photo: GTR-WORLD.net
しかも、スーパーコンピュータで実際に製造する前からシミュレーションでき、プレスや溶接工程はロボットが作るので、組み立て誤差やミスのほとんどないクルマが出来るようになった。Photo: GTR-WORLD.net
また、可動部分の多いエンジンでは、各パーツの強度や軸受けのクリアランスなどの誤差を考慮しながら設計・組み立てしていたが、これもパーツの工作精度の向上とコンピュータ・シミュレーションの発達で、より正確に組めるようになり、フリクションの少ない低燃費エンジンが作れるようになった。これなら、パーツが馴染むまで動きが渋かった昔のエンジンとは大違いで、ナラシも不要なのだ。だから、ごく普通に使うクルマにナラシは不要。
しかし、「ごく普通に使うクルマ」ではない新型GT-Rを含めた、ハイチューンのクルマの場合はどうか? どの世代のGT-Rオーナーも、愛車には1馬力でも大きなパワーと軽やかなレスポンスをずっと発揮してもらいたいと思っていたハズ。そういうオーナーには、ナラシは絶対必要なのだ。ナラシの目的とは、そのクルマの持てる性能を100%引き出し、それを長く維持させることにある。
確かに、クルマを作る工作精度は昔に比べて格段に向上している。しかし、エンジン内部を始め、ミッションやサスペンションの中で金属同士がゴリゴリとこすれ合っているのは昔と全く変わらない。
エンジンパーツの可動部分は、いっけんツルツルに仕上げられているように見えるが、顕微鏡で見てみると表面に微小な凹凸がある。いくら機械加工を精密にやったとしても、量産車はF1ではないからこれ以上は出来ないという限界がある。
そんなパーツ同士が、たとえ高性能な潤滑油に守られていても、高速で運動すれば削れて金属粉が出て来て当然。そして、互いに削れて表面がピカピカになり、相性よく馴染んで「当たり」がつくことでナラシが完成する。その際に、エンジンオイルやミッションオイルを交換すると、削れて出来た金属粉を排出することができるのだ。
考えてもみてほしい。あの超精密に組み上げたF1エンジンですら、エンジンベンチ上でラッピングというナラシ運転をしてからレースに使用するのだ。だから、新型GT-Rはもちろん、第二世代GT-Rに乗っているオーナー諸氏は新品エンジンに載せ換えたり、オーバーホールした際にも、以下に記すナラシメニューでキッチリとエンジンを仕上げてほしい。
ドライビングの神様からのお告げ 『2000km慣らし・マニュアル』
どうすれば、正しいナラシ運転ができるのか? GTR-WORLD.netではドライビングの神様から「ナラシのお告げ」をいただいた。その内容はざっと以下のとおり。
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■基本 ◇急のつく操作はしないこと!!(急制動・急加速はNG) ◇各ギヤを満遍なく使うこと!! ◇ブレーキはローターとパッドのあたりをつけるようなイメージ! ■具体的には ◇エンジンのMAX回転数 ●0~500km・・・・3500rpmまで ●500~1000km・・・5000rpmまで ●1000~1500km・・・6000rpmまで ●ラスト300km・・・レッドゾーンまで ◇ギヤの使い方 ●各MAX回転数の中で、各ギヤをこまめにシフトチェンジする ●例えば、登り坂が出てきたらこまめにシフトダウンすること ●加速側だけでなく、減速側のあたり面もつくるイメージ ◇ブレーキの踏み方 ●ブレーキの踏み方は、ダラーっと踏む。 ●イメージは助手席の人が不快な想いをしないような制動を。 |
ナラシというと、高速道路を一定速度で長距離を走って完了とする人もいるが、実はそれは間違い。各ギヤをこまめにシフトチェンジし穏やかに加減速することで、加速側とエンジンブレーキを使った減速側に当たりをつける。エンジンでいうと加速側でピストンとシリンダーが当る面と、減速側で当る面が違うからだ。それはミッションでも同じ。加速側で当るギヤの噛み合わせと減速側で当るギヤの噛み合わせは別なのだ。
また、走行距離に合せてMAX回転数を上げるのは、シリンダー壁に直接接触しているピストンリングとピストンが低回転域で接触する部分と、高回転域で接触する部分が微妙に異なるからだ。高回転まで回すクセをつけると思えばいい。その際には、エンジンに余計な負荷をかけないように、上りになったらこまめにシフトダウンすること。
また新型GT-Rには、より高剛性のサスペンションに仕上げるためブッシュ類に非常に硬いものを組み込んでいるし、アクティブコントロールのショックアブソーバーも摺動部分の多い精密部品。これらを馴染ませるためにもナラシは必要なのだ。サスペンションを慣らすには、「ボビング路」と呼ばれる中央道/上り線八ヶ岳付近の凹凸のある路面などが有効。
実際、2000kmのナラシを終えた新型GT-Rと納車直後のGT-Rを比較すると、格段にエンジンが軽くなり、乗り心地もスムーズになるという。水野主管がディーラーに向けて、2000kmナラシ徹底の通達を出したのもうなづけるというもの。幸運にも新型GT-Rのオーナーとなった諸兄。愛車のナラシは丁寧に愛情を持って行なっていただきたい。サーキットでの全開は、その後で…。






