新型GT-R2000km慣らしの旅 ~編集部インプレッション紀行~ 前編


納車後、東京⇔広島往復2000kmの慣らしを敢行。新型GT-Rのグランドツーリングカーとしてのインプレッションを行なう。
黒沢元治氏に箱根で試乗していただくのに先立ち、GTR-WORLD.netでは水野主管のお達しを忠実に守り、ホリデーオート編集部との共同取材で2000kmのナラシの旅に出た。果たして、ナラシの過程で新型GT-Rのドライブフィールに変化はあるのか? また、長距離移動の疲労感は? 周囲の反応は? 新型GT-Rのオーナーしか味わえない下ろしたての感覚をレポートする。

Text: Shin Inoue
Photo: GTR-WORLD.net



12月7日 第1日 走行31km~500km
 下回りの撮影終了後、21:00過ぎにいよいよ2000kmの慣らしに出発。片道1000kmの折り返し地点、広島を目指す。東名高速を一路、西へ。慣らしについて、「神様のお告げ」をしっかり守る。名神・多賀SAあたりで宿泊予定の初日は、レブリミットが3500rpm。夜間ということもあって、東名の走行中、GT-Rだと気付く人は少ないが、目ざといドライバーは携帯電話をこちらに向けてパシャっと写メを撮られたり、追いかけまわされたり、隣に並ばれたり。


ガソリンスタンドの店員さんも興味津々で近寄ってくる。燃費を計測しながらの移動なので、ガソリンは毎回給油口のギリギリまで満タンに。
「神様のお告げ」どおりの3500rpmでは、どのギヤでもすぐにリミットに達してしまうので、巡航ではほとんど6速しか使うことがない。秦野中井から足柄の手前までは右ルートを選択し、ワインディングもチェック。6速3500rpmでの走りはストレスもなく、ブレーキングも全く必要なくコーナーをこなし、まさにオン・ザ・レール感覚。100km/h巡航では、6速と5速で燃費を試してみたが、5速3200rpm近辺で走行しているのが、一番燃費が良い。平均区間燃費で10km/ℓは驚きの結果。
各ギヤのアップダウンをこまめに行いながら、ギヤをまんべんなく使うように心掛ける。ブレーキの慣らしも必要なので、前後にクルマがいない時を見計らってブレーキもジワーっと踏んで慣らし。
 高速道路を走っているときは「重さ」はまったく感じないし、クルマのサイズもぜんぜん気にならない。エンジン音はとても静かで、走行中はタイヤのロードノイズが一番大きい。その他のメカニカルノイズは加速時のターボチャージャーのヒューンという音が一番耳に入ってくる。サスペンションは、他の同価格帯の高級車と比較すると確かに硬いが、チューニングカーやスーパースポーツカーに乗っていた人にとってはさほど気にならないのではないだろうか。ワダチが気になることもほとんどなく、直進安定性もすこぶる高い。


東名自動車道の浜松SAにて、ダークメタルグレーのR35GT-Rと遭遇。なんとカートップ編集部のGT-Rだった。行先もなんと広島。
 最初の休憩&給油のために浜名湖SAに入ると、そこにR35GT-Rがもう1台いた。「あ!GT-Rがいる!」と思ったら、同じ日に同じお店で納車だったカートップ編集部のGT-Rが(笑)。話を聞くと、やはりナラシのため広島まで行く途中だとのこと。お互いの安全を願いあってそれぞれ出発。その後、多賀SAまで順調にドライブし、初日はここで仮眠をとることにした。ここまでの走行距離は約500km。
 慣れないクルマのための緊張感以外の疲労感はなく、心地よい眠りについた。







京都は白川沿いの辰巳稲荷前。古都のしっとりした風景にもR35GT-Rはよく似合う。
12月8日 第2日 走行500km~1000km
 8:30に多賀SAを出発。500km~1000kmまではレブリミット5000rpmを守る。今日の最終目的地は広島だが、まずは高速を途中下車して京都市内を走る。京都市内ではギヤボックスをA(オート)モードでドライブ。燃費を相当意識したセッティングなのか、走り出して数秒で6速までシフトアップしてしまう。そこから加速しようとアクセルを踏み込めば、即座にキックダウンをして加速を始めるので、ストレスは感じない。
 最初に撮影をしたのは白川沿いの辰巳稲荷前。新橋の上や柳の木の下で撮影をしたが、実はここ、フェアレディZのカタログ撮影にも使われた場所らしい。次に、花見小路に場所を移し、古都を走るGT-Rを撮影。古都の風景にR35GT-Rの未来形デザインは想像以上にマッチしている。



行き交う観光客も立ち止まってGT-Rをながめていた。携帯電話のカメラで撮影する人も。
 低速での街中走行は、コンフォートモードのほうが多少快適のようだ。ただ、石畳などの路面は決して快適とはいえないので、期待しすぎてはいけないかも・・・。
 撮影が終わると、再び広島を目指す。日中の移動とあって、今度は街中でも注目度は高い。気づいたドライバーから携帯で写真を撮られたり、追いかけられたり。
 山陽道に入り、三木SAで休憩。偶然、フェラーリF430と出会い、しばし談笑。「新型GT-Rってフェラーリオーナーからどう映ります?」と質問すると「スーパーカーですよね」との返事。「いいクルマですよね。フェラーリ乗りの中で話題にはなりますけど、せいぜい増車ですね」という感じ。
 F430の後ろ姿を見送り、遠くからまだ聞こえてくるエキゾーストノートにしびれ、余韻に浸りながら出発。一部路面の悪い区間では、ロードノイズが大きく、また振動も多いのだが、スピード域が高くなるとダウンフォースも効いてそれほど不快には感じない。


山陽自動車道三木SAでは、フェラーリF430と遭遇。フェラーリオーナーにはNISSAN GT-Rはどう映るのか。
 吉備SAでは、オートセレクトチューンのBNR34オーナーに遭遇。エンジンの慣らしで大阪から下関まで行く途中だとのこと。SA内でちょっと新型に乗ってもらったりして、インプレッションを聞く。奥様にも助手席に乗っていただく。両者ともすこぶる良好。写真などで見るよりはるかに質感があるし、雰囲気も良いとのこと。思っていた以上によい印象とのことで、特に奥様が感激していた。
 この辺で800km。この頃からエンジンフィールがだいぶ軽くなってきて、出発時とは明らかにフィーリングも音も良くなっている。これはドライバーだけではなくパッセンジャーにも分かるほどの違い。17時頃に広島市内に到着。
 広島市内のプリンス広島観音店がハイパフォーマンスセンターということで、表敬訪問。ちょうどGT-Rフェアをやっていて、ガンメタのGT-Rを展示していた。やはり関心が高いらしく、普段よりもお客様が多いとのことだ。ここでちょうどオドメーターが1000kmを示したので、1000km点検をお願いするも、まだ機材の準備ができていないとのことで断念。ホテルに着き、安全のため提携のタワーパーキングに停めようとするが、1895mmの幅はパレットに乗りきらずこれも断念。結局ホテルのエントランス前に停めさせてもらい、ここで一泊。
 信じられないほど疲労感が少なく、不思議な感覚。本当に広島までドライブしてきたのだろうか? 3ペダルのチューニングカーであったような重いクラッチを踏む左足の苦痛はもちろんないし、腰なども全く痛くならない。秀逸なシートである。また、リアシートはどう考えても大人が座るには狭く緊急用だが、トランクにはゴルフバック2個は楽々積める。フェアレディZよりは実用性は高い。
 折り返しの1000km。非常に快調な旅の後半は、もっと短く感じるかもしれない。