Text: Shunsuke Takeuchi
Photo: GTR-WORLD.net
恐ろしいほどの速さとボディの剛性を感じさせると評判の新型GT-R。その強固な造りはアンダーカバーに隠されて、リフトアップしただけでは見ることができない。
そこで、GTR-WORLD.net編集部は新型のパンツ、いやアンダーカバーを外し、その驚異の車体構造をジックリと見させてもらった。


1.カバーを外す前のフロント
フロントアンダーカバーは3分割となっている。前側はポリプロピレン製で、なんとリップスポイラーと一体式(と言うよりは非分解式と言うべきか)で部品代は高そう。真ん中部分も同じくポリプロピレン製。ここにはオイル交換用のサービスホールが設けられている。後側は、グラスファイバーSMC製。いずれもおびただしい量のクリップとボルトで固定されていた。一方、車体中央部にはアンダーカバーはない。どうせならフルカバーにして欲しかったが、冷却の問題か。
2.カバーを外す前のリヤ
リヤは2分割式。一番後ろのカバーはレーシングカー等でお馴染みのカーボン製だ。アルミハニカムをサンドイッチすることで剛性も確保している。奥に見える左右の突起はサスペンションメンバーの逃げ。真ん中の白く見える突起がガレージジャッキのポイントだ。その近くにはNACAダクトが設けられリヤデフを冷却している。前側のカバーはカーボンファイバーSMC製。写真では見えにくいが、前側のカバーにもNACAダクトが設けられ、ミッションを冷却している。
3.フロントカバーを外したところ
手前に見えている銀色の物体がインタークーラー。その奥に見える丸い棒は、なんとスタビライザー。かなり太い! そして頑丈そうなフロントサスペンションメンバー。その奥の丸い棒は左右フレームをつなぐ補強ブレース。
4.リヤカバーを外したところ
手前がマフラー。取り回しは複雑で、小ぶりなサイレンサーが左右独立して装着されている。リヤデフキャリヤは、R34 GT-Rの鋳鉄製からアルミに変更された。その奥、ミッションを跨ぐようにレイアウトされたのが断熱シートを貼られた燃料タンク。
5.新旧リヤアンダーカバー
左が、取り外された新型GT-Rのリヤアンダーカバーのカーボン部分。右がご存知R34 GT-Rのアンダーカバーだ。R34は1枚ものであったの対し、R35では整備性の向上のためか2分割式になったため、カーボン部分は小さくなった。
6.合理的精神の補強Ⅰ
車体中央付近のフロアトンネルの補強ガセット。アルミダイキャスト製で見るからに剛性が高そうなパーツ。実はフロントに駆動を伝えるプロペラシャフトの中間ジョイント取り付けブラケットも兼ねるという合理的設計。
7.合理的精神の補強Ⅱ
フロント側のミッションマウントメンバー。これもアルミダイキャスト製でシッカリとした造りだ。そしてこれもフロアトンネルの補強を兼ねている。その隣のシルバーのパネルは、補強ではなく遮熱板だ。
8.従来精神の補強
シルバーの遮熱板で覆われているのが触媒。その下に見えている丸い棒が左右のフレームを繋ぐ補強ブレース。唯一、補強のみが目的のパーツ。ちなみに触媒は各バンク2個づつの計4個装着されている。写真では見えないがタービン直後にもう1セットあるのだ。
9.レーシングスピリットの補強
フロントのサスペンションメンバーはこれまでになくゴツイもの。鋼管がクロスするところには三角のガセットが溶接され、レースカーの造りに近い。ルマンを走ったR33 GT-Rのメンバーがこんな感じで、まさに水野テイストあふれるメンバーと言える。
10.駆動系冷却パーツⅠ
ミッションオイル冷却のための水冷オイルクーラー。ミッションオイルは、ギヤの他、トランスファー、湿式クラッチにも共用している。それだけに熱的な負担も大きいのかもしれない。
11.駆動系冷却パーツⅡ
リヤデフキャリヤにも、これでもか!というくらいの冷却フィンが設けられている。第二世代までは鋳鉄製だったデフキャリヤも今回からはアルミ製になった。やはり熱的な負荷が高いのかもしれない。


というわけで、ひととおり下周りを拝見した後、新型GT-Rに再びパンツをはかせ、いよいよ2000kmのナラシに旅立った。