新型GT-Rの純正部品価格~その価格設定のウラには~
2007/12/26
カテゴリ: R35GT-R
ライター: 杉野勝秀
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新型GT-Rの純正部品価格 その価格設定のウラには…
純正部品のエンジン価格が、なんと320万円という新型R35 GT-R。この価格を巡っては、さまざまな憶測が流れている。つまり、この価格は意図的にチューニングを防止する「政治的な価格」だと。「エンジンをチューニングしてブローさせると320万円とお高くなりますよ。だからチューニングはやめてください」と無言のプレッシャーをユーザーやチューナーに掛けているというのだ。
R34 GT-Rの部品価格と比較してみると、その差は歴然。RB26DETTのエンジン本体価格は、新品エンジンでも75万4000円。いくらVR38DETTがクリーンルームの中で専門組み立てスタッフの手により組み立てられているといっても、4倍以上も高額になるということはないだろう。
かつて、第一世代のGT-Rに搭載されたS20エンジンは、150万円というハコスカGT-Rの車両価格の半分を占めていたという。S20は、生粋のプロトタイプカー・プリンスR380のレーシングエンジン、GR8を元に設計された、これまたレース使用を前提としたエンジン。レースでの性能追求のため、高度な設計と高価な材質、加工が施されていた。
もし本当にVR38DETTの価格が320万円もするとしたら、新型R35 GT-Rの車両価格777万円の4割以上を占めることになる。さらに中身にボーグ&ベッグのパーツを使用したトランスアクスルも157万円と超高価。両方を足すと477万円で車両価格の6割に達する。その他にも、高価な素材や外注部品がR35 GT-Rには使われているので計算が合わない。もっとも、R34 GT-Rでも同じだが、補修部品の価格は新車の原価よりもずっと高く設定されているので、計算が合わないのは当然なのだが…。しかしながら、VR38DETTの価格はやはり高すぎるような気がするのは、GTR-WORLD.net編集部だけではないだろう。カムシャフトやピストン、コンロッド等の内部のパーツ単体の価格を見てもそれはわかる。
新型GT-Rが発表された10日ほど後の朝日新聞のウェブサイトに、興味深い記事が掲載されていた。「違法改造許しません 日産がGT-Rサービス拠点整備」という見出しの記事。その内容は、新型GT-Rの販売や整備点検に当る「ハイパフォーマンスセンター」を全国に160店置くというもの。そして、その役割のひとつが違法改造を防ぐという目的。さらに「GT-Rの前身のスカイラインGT-Rはエンジンなどの違法改造が多く、国は5年ぶりのGT-R復活に際して違法改造を防ぐ措置を日産に求めていた」とその背景を解説。
これは完全なGTR-WORLD.net編集部の憶測だが、日産は国交省に新型GT-Rの型式認定と480psの出力、そしてサーキット限定の速度リミッター解除を申請した際に、今までのスカイラインGT-Rが国交省のいうところの「違法改造」が多いので徹底的に防止策を講じるように求められたのではないだろうか? それがハイパフォーマンスセンターの設立と、車両に搭載された車両状態記録装置で車輪速度、エンジン回転数、過給圧などのエンジン制御情報を記録・蓄積することと部品交換履歴を記録することだったに違いない。そして表立ってないが、もうひとつがチューニングの素材となる補修用エンジンの価格を意図的に引き上げることだったのではないだろうか? エンジンが安ければブローしてもすぐに載せ換えればいいこと。しかし、320万円もしたら、オーナーがエンジンチューニングを躊躇することは間違いない。
その反面、ブレーキキャリパーやローターなどは、その性能やサイズからすると非常に安価に設定されている。とくに2ピースのローターは、驚くほど安い。パッドが高いのはどうかと思うが…。また、20インチのホイールもR34 GT-Rの18インチホイールとほとんど変わらない値段設定。
いずれにしても、この時代に480psというパワーで新型GT-Rを出すということは、メーカーとお役所の間で様々なやり取りがあったことは、想像に難くない。
■R35GT-Rのおもな日産純正パーツ価格■
■エンジンパーツの価格■
Text: Katsuhide Sugino
Photo: GTR-WORLD.net
Photo: GTR-WORLD.net
純正部品のエンジン価格が、なんと320万円という新型R35 GT-R。この価格を巡っては、さまざまな憶測が流れている。つまり、この価格は意図的にチューニングを防止する「政治的な価格」だと。「エンジンをチューニングしてブローさせると320万円とお高くなりますよ。だからチューニングはやめてください」と無言のプレッシャーをユーザーやチューナーに掛けているというのだ。
R34 GT-Rの部品価格と比較してみると、その差は歴然。RB26DETTのエンジン本体価格は、新品エンジンでも75万4000円。いくらVR38DETTがクリーンルームの中で専門組み立てスタッフの手により組み立てられているといっても、4倍以上も高額になるということはないだろう。
かつて、第一世代のGT-Rに搭載されたS20エンジンは、150万円というハコスカGT-Rの車両価格の半分を占めていたという。S20は、生粋のプロトタイプカー・プリンスR380のレーシングエンジン、GR8を元に設計された、これまたレース使用を前提としたエンジン。レースでの性能追求のため、高度な設計と高価な材質、加工が施されていた。
もし本当にVR38DETTの価格が320万円もするとしたら、新型R35 GT-Rの車両価格777万円の4割以上を占めることになる。さらに中身にボーグ&ベッグのパーツを使用したトランスアクスルも157万円と超高価。両方を足すと477万円で車両価格の6割に達する。その他にも、高価な素材や外注部品がR35 GT-Rには使われているので計算が合わない。もっとも、R34 GT-Rでも同じだが、補修部品の価格は新車の原価よりもずっと高く設定されているので、計算が合わないのは当然なのだが…。しかしながら、VR38DETTの価格はやはり高すぎるような気がするのは、GTR-WORLD.net編集部だけではないだろう。カムシャフトやピストン、コンロッド等の内部のパーツ単体の価格を見てもそれはわかる。
新型GT-Rが発表された10日ほど後の朝日新聞のウェブサイトに、興味深い記事が掲載されていた。「違法改造許しません 日産がGT-Rサービス拠点整備」という見出しの記事。その内容は、新型GT-Rの販売や整備点検に当る「ハイパフォーマンスセンター」を全国に160店置くというもの。そして、その役割のひとつが違法改造を防ぐという目的。さらに「GT-Rの前身のスカイラインGT-Rはエンジンなどの違法改造が多く、国は5年ぶりのGT-R復活に際して違法改造を防ぐ措置を日産に求めていた」とその背景を解説。
これは完全なGTR-WORLD.net編集部の憶測だが、日産は国交省に新型GT-Rの型式認定と480psの出力、そしてサーキット限定の速度リミッター解除を申請した際に、今までのスカイラインGT-Rが国交省のいうところの「違法改造」が多いので徹底的に防止策を講じるように求められたのではないだろうか? それがハイパフォーマンスセンターの設立と、車両に搭載された車両状態記録装置で車輪速度、エンジン回転数、過給圧などのエンジン制御情報を記録・蓄積することと部品交換履歴を記録することだったに違いない。そして表立ってないが、もうひとつがチューニングの素材となる補修用エンジンの価格を意図的に引き上げることだったのではないだろうか? エンジンが安ければブローしてもすぐに載せ換えればいいこと。しかし、320万円もしたら、オーナーがエンジンチューニングを躊躇することは間違いない。
その反面、ブレーキキャリパーやローターなどは、その性能やサイズからすると非常に安価に設定されている。とくに2ピースのローターは、驚くほど安い。パッドが高いのはどうかと思うが…。また、20インチのホイールもR34 GT-Rの18インチホイールとほとんど変わらない値段設定。
いずれにしても、この時代に480psというパワーで新型GT-Rを出すということは、メーカーとお役所の間で様々なやり取りがあったことは、想像に難くない。
■R35GT-Rのおもな日産純正パーツ価格■
| 新型R35GT-R | 必要個数 | R34GT-R(参考) | |
|---|---|---|---|
| エンジンアッセンブリー | ¥3,200,000 | 1 | ¥754,000 (新品) |
| ターボチャージャーアッセンブリー | ¥250,000 | 2 | ¥99,300 (標準) |
| インタークーラー | ¥86,000 | 2 | ¥129,000 |
| トランスアクスルアッセンブリー+トランスファー | ¥1,570,000 | 1 | ¥675,000 |
| フロントブレーキキャリパー | ¥135,000 | 2 | ¥108,000 |
| フロントブレーキディスクローター | ¥75,400 | 2 | ¥59,400 |
| フロントブレーキパッド | ¥90,300 | 1 | ¥37,500 |
| フロントホイール | ¥149,600 | 2 | ¥145,200 |
| リアホイール | ¥150,600 | 2 | ¥145,200 |
| フロントバンパー | ¥120,000 | 1 | ¥69,800 (塗装済み) |
| リアバンパー | ¥120,000 | 1 | ¥69,800 (塗装済み) |
■エンジンパーツの価格■
| 新型R35GT-R | 必要個数 | |
|---|---|---|
| カムシャフト | ¥21,200 | 4 |
| タイミングチェーン | ¥4,390 | 1 |
| コンロッド | ¥12,000 | 6 |
| ピストン | ¥4,440 | 6 |
| ピストンリングセット | ¥15,100 | 1 |
| クランクシャフトベアリングセット | ¥6,760 | 1 |
| インジェクターアッセンブリー | ¥11,500 | 6 |



